許してしまう妻を許してしまう夫 その5
自ら覗きを白状して、皆から飲まされるタクジでした。
俺はそれを見て笑って居ましたが、徐々に自分を取り巻くアンタッチャブルな空気感に気付く事になるのです。
アンタッチャブルな空気感とは
まさに俺が触らぬ神に祟りなし的な存在にされていることです。
つまり
ユカさん以外(果帆、コウタ、タクジ、ルミコ)の4人が昨夜の騒動の顛末を俺から隠そうとしていると悟りました。
最初俺は割と冷静な頭で、情報を引き出しに掛かりましたが
なんとなく濁してうやむやにされ続けていました。
このままでは堪忍袋の尾が切れてしまうかもしれない・・・そんな矢先
ちょうど、潰されかけたタクジが「へんぱーい」と言って果帆へグラスを渡した時でした。
ユカ「もうやめときー、昨日みたいな事なるき」
・・・
果帆以外の3人の笑顔が消え
隣に座っていたユカさんが昨夜の話を蕩々と聞かせてくれました。
要は、
- 自分達が調子に乗ってノリの良い果帆に飲ませ過ぎた事。
- 男達が果帆に対して皆の前で破廉恥な要求もした事。
- そして果帆と全員がキスした事。
既に半分把握していた事実でしたので、驚きのリアクションは取れなかったが
俺は果帆を睨みつけていた。
しかしながら果帆は余り反省の色は無いようで、屈託無い笑顔のまま
まるで「なんで怒っているの?」と問われているかのようだった。
釣られて笑わないようにこっちも必死です。
俺「果帆!何してんだよ!?」
果「えぇーーー!?」
首を傾げただけで笑顔が消えない。
ルミ「チュッって触れただけのヤツだよ、ねっ!?果帆ちゃんっ!?」
果「そー、そーなの・・・」
俺「挨拶と変わんないとか言うなよ?」
果「んんん、ごーめーんー」
コウ「俺ちゃんごめんな、その後だけどな、皆で俺ちゃんにキスしに行こうって言って部屋行ったんよ」
ルミ「そーチューして起こそうって」
ユカ「何それ!?私知らない」
コウ「いや、行ったんよ、結局俺ちゃん思いっきりうつ伏せ寝してて戻ったんだけどね」
ルミ「ははっそうそう」
タク「や、あれは裏返してもヤる派やったよ、俺は」
一同「笑」
コウ「あれ、止めたん誰やった?」
ルミ「はい私・・・」
タクジに飲まされかけるルミだった。
少し笑ってしまったが場の話題がこれで収束してしまうのは避けたいのでゴネる俺。
俺「駄目じゃん!俺だけ仲間はずれじゃん!!」
一同静止、俺は言葉を続ける。
俺「駄目じゃん!コウタさん、コウタさん!俺もユカさんとチューすっかんね!?」
コウ「へっ!?」
果「えぇーーー!何それーーー!?」
俺の隣できょとんとしているユカさんの反応を気にする事無く、
神前式でよく有る「誓いのキス」の様なキスをしてしまいました。
ギャラリーと化した4人は大人しく見ていたのだが、キスした後。
果「は〜〜喉渇く〜〜〜」
と向かいのソファで前屈みになった果帆が潤んだ目で俺を見ていた。
隣のコウタさんも血圧が上がって上気した顔色になっており
ユカさんも目を閉じてキスを待つ姿勢を取っていたのが意外だったのではと思います。
その後も俺の暴走は止まらず
タクジの抗いをはね除けてルミコとも「誓いのキス」をした。
結局は旦那2人の反撃に遭い
旦那2人に「お口直し」として俺自身が唇を奪われた事はご愛嬌。
俺1人が暴走している所を、暖かく楽しい雰囲気に戻して、結果楽しませてしまう。
タクジコウタ兄弟の土佐仕込みホスピタリティ精神には脱帽でした。
そんな騒動の中、翌日には帰路に着く我々だった。
結局タクジと果帆のトイレの件は聞き出す機会を逸してしまったが
タクジとも連絡先を交換したので携帯を介して聞き出す事にしました。
そして帰りの特急列車でした、車内でコウタさんとの会話。
コウ「・・・あれ、会社で大丈夫?」
俺「いや・・・俺もそう思ってる」
非常に凝縮されたやりとりは、通路を挟んだ座席でママ同士飲んでいる
果帆、ユカさん、ルミコを見ながら交わされた小声での会話であります。
果帆にフォーカスが当たった会話で有ることは言わずもがなですが。
・・・
夏のバカンスを過ぎて、しばらく経った頃
案の定、全然大丈夫じゃなかった会社の試食会。
俺がソファの上で微睡んで、深く眠ってしまうことは日常化している事なのですが
土曜日の夜、妻の帰りを待っていたその日も例外無く眠ってしまったらしい。
リビングのドアが開き、寝惚け眼で妻の帰宅を知った。
妻はスーツのジャケットをハンガーに掛けながら俺に「ただいま」と言った。
俺はなんとなく返事はしたと思うが
壁掛け時計を目にするとまだ23時前でした。
特に遅い時間まで飲んでいた訳ではないし、口うるさく注意する事も無いな、と判断し再び微睡みの世界へ誘われてしまったのですが
より深く眠りの世界に居る深夜、再び妻に呼び醒まされました。
それは毎日の目覚ましがそれだったら・・・という理想の起こし方。
中学生の頃は、毎朝奥さんにそうやって起こして貰えたら幸せだろうと本気で妄想したものでした。
いつの間にかボクサーブリーフの前ボタンが外され、咥えられていたのです。
俺「あーーー、んなにやってんだよぉーーー、やめろよーーー」
などと心にも無い台詞で対応します。
そうすると妻の悪戯心に火が付き、止めない事を知っているからです。
目論見通り、妻は行為を続けます。
果「じゅるっ、じゅじゅ、じゅるっ、・・・・」
俺は息が乱れる程興奮して来ながらも、在る事に気付きました。
悪戯レベルのちょろちょろっとしたフェラではなく、
やたらと情熱的な、ねっとりとした、それなのです。
果「ん、ん、ん、ん、ん、、ん、」
肉棒を吸い上げる音に混じり
お互いを盛り上げるような喘ぎ声も加わり
妻が発情していることは明らかになりました。
以前、かなり昔ですが、
OL時代、会社でセクハラされて帰宅するとこのように感情的な口淫をしてきました。
送別会で遅くなった時などはそのまま俺の上に跨がって来た事もあります。
参照※セク堕ち空白
いずれの時も発情の理由が有りました。
俺は徐々に頭が熱くなり
惜しみながらもフェラを中断させ、発情の理由を聞き出す事にしました。
果「気づいてくれたぁ!?・・・流石パパ!」
お風呂上がりでまだ少し濡れ髪の妻は、
はちきれそうな笑顔を向けて、そう言いました。
果「今日ね、今日ね、鳩ぽっぽにお尻触られた〜」
俺「はぁ」
鳩ぽっぽとは、現在果帆が勤める会社の人で、確かお偉いさん。
果帆を派遣からパートに雇用抜擢してくれたから、俺が勝手にお偉いさんだと思い込んでいる。
いつもは名前に敬称を付けて話すが、今日は急に「鳩ぽっぽ」呼ばわりである。
俺「何、どうやって?」
果「こうやってる時、こうやって」
説明によると
飲み屋で、メニューを取ろうとテーブルに手を付いて、前屈みになって、無防備な後ろをポンッと触られた様です。
果「信頼してたのに〜」
俺「なんで、なんか嬉しそうなの?」
果「えー嬉しくないよー、悔しがってるよー」
俺「いや、まったくそう見えん」
果「悔しいし・・・悔しいし、あいつの言ったとおりでムカムカする」
俺「ん!?・・・やなやつの名前出さないでね」
果「あ、・・・はーい」
何故か急に表情が曇って見える果帆。
俺「あ、今日も送って貰ったとかやめようね」
果「やなやつに?」
俺「うん、やなやろーに」
果「ふふっ、もうパパにしか報告しませんからっ」
酔っ払ってテンション高いのか、親指を立てる妻。
俺が下着として認めていないブラトップを着てるのにめっちゃ可愛いく見える。
その仕草の寸前に一瞬、ほんの一瞬なんだけれど、妻が哀しい目をした気がする。
それは、キツい言われようをしたメールを思い出し再び傷付いたからなのか
それとも
・・・俺は胸の苦しさを紛らわすように話題を変える
俺「というか他に報告しなきゃな事が有ると思うんだけど?タクジから聞いたよ」
夏のコテージから帰京して、俺はランサー帰りにタクジを捕まえて話を聞き出すことが出来て居ました。
タクジとトイレの話です。
では、先ずは果帆の言い分から
果「ごめんなさい」
俺「何で謝るの?てか覚えてないって嘘だろ?」
果「・・・」
俺「全部聞いちゃったもんね」
果「え、何て言ってた?」
俺「いや言わない」
果「あたし本当覚えてないんだもん」
俺「じゃあなんで謝るの?」
果「・・・」
俺「タクジ、やることやったって言ってたよ」
果「はぁ!?」
俺「な?覚えてんだろ?話しましょうね、お果帆さま」
果「気持ち悪くてトイレ行ったの、それだけ」
俺「ごめんなさいって思ってないだろ?」
果「・・・」
俺「それに俺に報告しないでまた誰に報告してんの?」
妻がFacebook上で谷からオトコ絡みの報告を求められていた事を知っていました。
しかしながら夏のコテージ最終日には、俺からも谷へガツンと言ったので終息したと思います。
少々怒気を含んで投げ掛けたその言葉は
俺の中では妻に対するある意味ギリギリの挑発でしたが、それは功を奏しました。
果「吐いちゃえば楽になるよって言われて洗面所で背中摩って貰ってた」
果「でもあたし吐けないじゃん?」
果「吐けないからお茶持って来てって頼んだの」
果「口移しで飲まされたのー、それだけっ」
俺「へー飲まされた?」
果「うん」
俺「タクジからは、せがまれた、て聞いてるけど?」
果「えっ」
俺「飲ませてって言われたって」
果「言ってないっ!」
俺「な?覚えてんじゃん、あいつが嘘言ってるの?素直に話しましょう、お果帆さま」
果「言ってないと思う」
俺「ちゃんと話そう、じゃないと3者面談しなきゃならんし、喧嘩もしたくない」
身体も離れていてうじうじした様子、果帆を引き寄せる
決して分厚く無い俺の胸板の上では正直に告白したと思います。
背中を摩られて人肌恋しくなってしまった。
よく分からないけど性欲が刺激されてしまった。
最近飲むとキスしたくなってしまう。
ノリで口移しで飲みたいとせがんでしまった。
俺「しかもその時廊下に座ってたのに、コウタさんも来たのが分かると立ち上がって、トイレに入って、しかも果帆が鍵閉めたってさ、どっちが本当なの?」
果「本当だよ、ごめんなさい・・・」
俺「でその後は?」
果「チューしてましたごめんなさい」
俺「うん、結構抱きついたみたいね」
果「はい」
俺「でやることやっちゃったの?」
果「え、それ以上はもう本当にしてません、コウタさん来たし」
タクジの話していた内容が聞けたので誘導尋問終了
果帆は俺の脚の間で正座している。
俺「タクジと続きしたいと思ってたでしょ?」
果「思ってません」
俺「嘘だ」
果「嘘じゃないけど、飲むと最近おかしいの許して」
あっけらかんとしている、嘘は無いと判断しました。
俺「おかしいの知ってる、みんなに心配されてんぞ」
果「うん、ユカにも、ルミにもお母さんみたいに心配されてます」
俺「お母さん増えたね、ルミは年下なのにね」
果「うん、ちょっと嬉しいけどね、安心して、本当パパ以外とエッチしたいとは思ってないから」
俺「本当に誰とも?」
果「・・・」
またほんの一瞬では有ったが少し悲しそうな表情をみてしまう。
俺は狼狽し、苛立ち、間男の名前を出す
俺「谷とも?」
間男の名前を口にするだけで、なんか全身に痛みが走るようになってしまった。
俺の違和感を察するように果帆は無言で俺に抱きつき
果「あなたが言っちゃ(名前出しちゃ)ダメじゃん」
と言った。
果帆のFacebook友達一覧からもヤツの事は削除したみたいですし
自己弁護のようにそれを説明する妻だったが、俺は何処か信憑性を持てずに居たので
つい意地悪な事を言いたくなってしまうのです。
空気がしっとりしてしまったので話題を変える事にしました。
俺「・・・飲んでキスすんのもうやめような、男は勿論女にも、酒乱みたいだし」
果「酒乱てやだー!気をつけます」
俺「あとルミには内緒にしてくれって、タクジが」
果「そりゃそうだよー、あ、でもあなたもルミとしてたしー」
俺「あんなの触れただけだろ」
果「あれ以上は許さないもん」
俺「うわ、偉そ」
果「いー感じになったら許さないかんね、ユカとみたいにー」
俺「は?いい感じですか」
果「なんかでっれでれしないでって思ったもん、何回も」
こっそりキスしたことがバレてるかと思って心臓が跳ねたが
どうやらバレた訳では無さそうでした。
俺「わかったよ」
果「会社では(キス魔は)大丈夫だよ、心配しないで、あの人達みたいに飲める人居ないし」
・・・
このように結局は妻のマイペースに支配されてしまう我が家なのですが
年末ある事件が起こります。
つづく
こんな感じ如何でしょう?
趣味の合う人がいたら嬉しいです。
完全シロウト、応募人妻。 篠原ゆい