一緒に入って来たのは、、、由衣でした。
部屋に居る俺達を見て固まる由衣。
知らなかったのなら当然のリアクション。
俺もそれなりの覚悟を持って、この谷の家に出向いて来たつもりでしたが
想定外過ぎる展開に目を丸くしていたと思います。
果帆はそんな俺の反応を見て、全てを察した様です。
由衣の写真も見ていたのなら当然気付きますよね。
完全に血の気が引いて硬直化した俺は
谷のリードに身を委ねるしか無かった。
由「ちょっと!?どーゆーこと??」
俺も脳内で同じ台詞が回っています。
谷「まぁまぁまぁまぁいーからいーから」
若干の押し問答が有ったものの
谷に背中を押され居間に入って来た由衣
果帆は一瞬目をやったものの、その後俯いている。
谷「果帆、わかる?こいつが由衣」
俯いたままの果帆
谷「おまえの旦那とあんなことやこんなことしてたセンセー」
由「やだ、もー帰る」
谷「は!?おまえ散々聞きたがってたから会わせてやったんだろ!?」
谷に腕を掴まれて泣き出す由衣、26歳にこんな状況対応は余りに酷な話だ。
俺は狼狽え過ぎてフォローの一つもしてあげられないのでした。
谷「おいおい、、、」
今度は谷がバランスボールに座った果帆の手を引いてソファへ誘導した、果帆は従順に付いて行く。
谷「泣かなくてだいじょーぶだって、この人もセンセーに会いたがってたんだから、な?果帆」
谷の策略は
俺達を全員集合させ、話しをさせ、聞かせる事だと悟りましたが
少なくとも親切心からの行動で無い事は確かです。
果帆は谷の問いに答えず
沈黙のままです。
俺はその場の空気が重いことに全ての責任を感じ申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
しかし沈黙の中
深い溜息のような深呼吸を一つした果帆は
普段の彼女から想像出来ないくらいの仕切り能力を発揮したのです。
由衣に挨拶してから、質問を繰り出す果帆
徐々に平静さを取り戻したのか、それに応じる由衣
俺も途中から谷の助け舟で勧められたビールを空けつつ、聞かれた事は隠さず答えました。
敵の情けを受けた感じで我ながら不甲斐なさの極みです。
・・・
やがて谷の真の策略が見えました。
奴は由衣と俺の情事を再現させようとして
更に自分は果帆の胸の膨らみや太腿をまさぐって刺激し、4Pへ持ち込もうとしてきたのです。
正直、こいつなんでもありのお構いなしかっ!?と突っ込みそうでしたが
果「はいはい、谷くんノーサンキューですーーーそーいうの」
果「谷くんはっきり言っておくね、谷くんがモテるのは良く分かった」
谷の肩に手を置く果帆、、、こんな時も自分からボディタッチが多い。
果「良く気付いてくれるし、でもあたしにとってこの付き合いはやっぱり空洞でした」
果「元々この人(俺)のお遊びだったけど、あたしも恋愛ゲームみたいでちょー楽しかった」
果「でも空洞だから、おしまい!」
笑顔で言い切った果帆
谷「ぅーおい!この前と言ってる事ちげーじゃん!?」
声のトーンが若干上がった谷
肩に乗せられた果帆の手を取り、抗議する表情は引き攣り始めていた。
無理矢理な笑顔を作ろうとしている様にも見えた。
果「・・・それにいきなり家に来るのはもう絶対にやめて」
由「あ、わたしも!」
果「即、通報よ」
由「うん、わたしも」
窮鼠猫を噛む谷からの反論も有りました。
谷「誰にでも抱かせる旦那でもイイの?」
・・・など谷が誤解してる部分は、さすがに俺も弁解しなくてはとクチバシを挟み
結局は
いつの間にか一枚岩に成った女性陣の意志が硬く、凄腕の谷も4P計画は諦めたようです。
俺たちは帰る時間になり、果帆の意思により由衣も連れて帰ることにしました。
谷「センセーは置いてけよ」
何故か果帆の二の腕を掴んで由衣の事を引き止めようとする谷
果「は?・・・だって、さ、、、センセー、どする?」
由「やです。連れてって下さい」
果「はい、じゃあたしも旦那の事でこのコに聞きたいことあるし、、、って事で」
この時も妻はしっかり者に見えました。
谷は捨て台詞も吐き、俺は気分を害しましたが、応戦することなく素通りしました。
奴の目論見的には、推測ですが、部屋鍵を開けておく旨のメッセージが有りましたし
先に由衣と谷が居る部屋に、俺たちが来る算段だったのかも知れません。
そうなった場合、違う展開になっていたかもしれませんので
今回は果帆も、由衣の件も結果オーライだったと自分の中で消化しました。
並んで話しをする2人、少し離れて後ろを歩く俺、
身長165cmの果帆と、155cm位の由衣が横並びに歩く後ろ姿を見て、まるで姉妹かと錯覚する程で
由衣が果帆に抱き付いて泣き始めた時は驚きました。
人懐っこい妻が、同じく輪をかけて人懐っこい女に懐っこくされているのが新鮮でした。
ですが、抱き合う時間が長く、見物人が若干ひしめき合い始めたので、さすがに2人を解除させました。
日曜日の午後の街中の人々との温度差有り過ぎでしたから
おまけに別れ際、果帆から由衣の連絡先を聞いていたのには「・・・有り得ない」と呆気にとられました。
由衣もなんか嬉しそうに教えてるし・・・
(既に谷のマンションで俺と谷の連絡先は消去済み)
妻の計り知れない、女誑しならぬ「人誑しの才能」を見せつけられた気がします。
一時期の絶頂期は過ぎていたものの
由衣の事は本当に好きになってしまっていたので
お別れをする時は、かなり堪えると思ってましたが
由「果帆さんの連絡先教えて貰いました〜俺さん、さよなら〜〜」
俺「あ、、、ふはっはは・・・」
ドライで苦笑いしか出てこない別れでした。
まぁそんな2人の天真爛漫ちゃんのおかげ?で別れ方としてはハッピーな部類と言えるのかもしれませんし
通常、修羅場るシチュエーションでそこまで修羅場らなかったのもこの2人だからこそなのでしょうか
未熟な私には今でもわかりません。
・・・
更に時は過ぎ
果帆からの提案で夫婦だけの時間を持ちました。
報告会をする為です。
昼間からホテルに入りました。
それなりに刺激的な内容だったので(完全に主観ですが)このお話の続きとして紹介させていただきます。
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