呼び出される妻
果帆と俺と谷、3人のグループを作り集合をかけてきたのです。
谷「はーーい、お2人さーん」
谷「明日2人して俺んち来れる?」
谷「てか予定キャンセルしてでも来て!」
独りで居た俺は読んですぐに返信しました。
俺「急だな、なんなんだ?」
俺が投げたメッセージに直ぐ「既読2」のカウントが表示されました。
別の部屋に居る果帆も閲覧中のようです。
谷「おー俺さん、絶対なんとかして来て!俺さんの為だから、果帆もだよ!」
俺「俺の為の意味がわからないけど、何時くらい?」
谷「夕方までなら何時でも」
ここで果帆が絡んで来ます。
果「2人で行ける訳ないじゃん、△△※居るんだから」※子供の名前
俺「果帆、俺がなんとかするよ」
珍しく後先を考えず瞬発力だけで返答をしてしまいました。
ここらで「決着」つけたいと本能で感じたのです。
谷「なに、お2人さん今一緒に居ないの?」
谷「スタンプ(ほくそ笑むキャラクター)」
俺「谷、行くよ、話ししよう」
谷のおちょくりを無視して、俺はやや強引に決定。
谷「じゃあ来る前にここにメッセージ入れて、下でピンポンしてくれれば、部屋鍵は開けときやす」
ってことで話が進みました。
「俺がなんとかした」件は割愛させていただきます。
翌日、妻の手を繋いで、というより、強引に手を引っ張って、電車に乗り、席で話しをした。
幸い休日の車内は人影疎らで、際どい会話もOKでした。
その時の妻は怒りが薄れていたので割と話せる感じ
だけでなく、目的の駅に到着したので降りようと席を立つ俺の腕を引っ張る
・・・降車せず話し続けることにしました。
果「谷と会ったことは・・・後で聞いて欲しい」
俺に釣られて呼び捨てになって、涙目でした。
俺「わかった・・・もう谷と寝ないで欲しい、俺ももう裏切らない」
谷の二面性に嫌悪感も抱いていること吐露しました。
果「うん・・・でも謝ってなかったね、ごめんなさい」
この時は目を見ながら謝ってくれた。
俺は強く抱き締めたい衝動に駆られるも抑え
顔を近付け、鼻先同士を軽く接触させるのみにした。
ガラガラな車内とはいえ無人ではないので、それすら少し抵抗が有ったのを思い出します。
果「行くのやめてもいいんじゃ?、、、ブロックするし」
涙目でシリアスな雰囲気を出していたと思ったら、急に一点の曇りもない目で微笑んでくる、、、
切り替えについていけないような天真爛漫さ発揮されても困りますが
俺「んーーー・・・いや、決着つけなきゃ」
終点で折り返し運転する電車に乗り直しまして、戻ること数駅。
谷のマンションに到着、エントランスで呼び出しボタンを押す。
谷「あっ早いねーー!?」
と少し慌てた様子で解錠、
(そっか・・・出発前、谷にメッセージ入れるのを忘れた)
一杯一杯だった自分にも気付かされました。
棟内、部屋まで果帆に誘導させる、後ろ姿を見ていると切ないけれど股間はむず痒く
(妻がここを通ったのは何度目なんだろう?、、、と)
無性に後ろから妻を羽交い締めにしたい衝動に駆られました。
部屋に押し入り
俺は図々しく振舞い、奴のPCスツールに腰掛け、果帆はその傍のバランスボールにフワフワ座る。
(よし今日はビシッと言うんだ、今日の俺は直球しか投げない!)
と気合いを入れ直す。
谷「しっかし早かったね、お2人さんw」
どことなくそわそわしている谷、座らずキッチンと居間の敷居付近をうろうろしている。
我先に先手を打つ、伝えた事の概要は以下の通りです。
元々2人をけしかけた事を後悔してる。
今は自分の気持ちと家庭を優先したいから、今後俺達夫婦から離れて欲しい。
俺らはお前の連絡先も消そうと思ってる、sns経由でもやりとりは出来ないようにしたい。
お前も今連絡先を消して欲しい。
・・・
谷は俺と目線を合わせる事無く真顔で聞いていたものの、徐々ににやけ顏になりこう返して来た。
谷「えっと、、興奮度足りませんか?・・・ご希望以上のことしてたつもりなんですけどねぇ」
まるで暖簾に腕押し状態だった・・・だけでなく
やつは果帆の肩に手を掛け、顔を覗き込む、正直キスされると思った・・・が、違った。
果帆の傍に置いてあり、着信のバイブが鳴っている携帯に手を伸ばしていた。
谷「はいはい、あっ、、はぁはぁ、、じゃーちょっと出るから待ってて」
電話を切った奴は
きょとんとする俺達に靴を履きながら説明をする。
谷「ピザ屋、ピザ屋、道わかんないみたいだから、ちょっと迎え行って来る」
残された俺達は言葉も無く、
俺は改めて部屋を見渡す
ワンルームながら家具、家電もこだわり派なのが見て取れる。
離婚してから全て買い替えたんだな、真新しいし
淹れてくれたアイスコーヒーにまでこだわりを感じる、流石元カフェ店員、、、とか感心してる場合じゃない。
果帆も大人しい
それにしても我が妻ながら、他の男の部屋に居るだけで、何故卑猥な佇まいなんだろうと不埒な事を思っていた。
さほど時間は掛からず玄関のドアが開き、谷は戻って来た。
しかし一緒に戻ってきたのはピザの配達員では無かったのです。
つづく
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